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2005/12/10

四日目 ファド。そして、さよならポルトガル

とうとう、この旅最後のプログラム・・・ファドを聴きに行く。

ファドハウスでの食事代やショー・チャージは事前に支払ってあるし、翌日は早朝にリスボンを発つので、もはや現金は必要ない。
そう思って、威勢良くお金を使い果たした。

これがこの夜の持ち金すべて。小銭ばっか・・・。


↑それと、お世話になった「一日乗車券」
ただの厚紙みたいだけど、ちゃんと地下鉄の自動改札も通るし、料金をチャージすることもできる。

↓ちなみに、地下鉄の改札はこんなかんじ。


改札を正しく通過すると、ガラスの扉が開く。

しかし、ここで気が付いた。
考えてみれば、ファドハウスがある場所は、夜は治安上危険な地区なので、タクシーで行かなくちゃイケナイのだった。
そう・・・タクシー代を忘れていたワケさ。

再び苦悶・・・金がなーい!!!
仕方なく、ホテルのフロントで虎の子の5000円を両替。ハァ~。

さて、ほんの少しだけドレスアップし、買ったばかりのブーツを履き、いざ出発!
最後の夜だと思うとなんだか淋しくて、タクシーの車窓から街の写真を撮りまくった。










予約したファドハウスは、ホントに、見るからに危なそうな裏通りにあった。
でも、風情がある下町の坂道の途中。
ま、一人で来たら絶対迷うな。

タクシーを降りると、ネクタイ姿の白髪のオジサンが慇懃にお出迎え。
ブリティッシュな英語だけど聞きづらかったので、「ポルトゲスでしゃべってね」と言ったら、なぜかいきなり態度が急変、フランクなお友達モードに・・・。

こじんまりした店で天井が高くドーム型。店内の灯りはテーブルのロウソクとわずかな照明だけ。
うんワ~ァ、ゾクゾクするぞっ。

しかし、結構寒い。
肩に羽織れば少しオシャレに見えるかしら?と思って、寒さ対策もかねた大きめのショールを持っていたのに、ホテルに忘れてきた。
だから食事の間中、2980円のユニクロの上着を羽織るハメに・・・・・カッコわるっ!
しかも、この日のために普段はつけない派手目の色の口紅も持ってきたのに、化粧直しさえしてこなかった。
ばか!ばか!ばか!
こんなことなら、べつに犬フン付き靴でも良かったじゃんか~~っ!

・・・まあ、こんなもんだよな、私の人生なんて(-_-)

すでに店内には、英語圏からの観光客らしき客が3組くらい、地元の人らしき中年の男女グループが2組、席についていた。
日本人、しかも、女一人の客なんて私だけ。
うっ・・・さすがに淋しいゾ。

前菜を食べ終わったあたりで、急に照明が真っ赤になり、食事を出すキッチンの窓も閉じられ、それまで奥の席でお酒のんでたジイサンが、おもむろにギターを抱えた。
そう、彼こそが、この店の経営者でもあり、往年のギタリストマリオ・パシェーコだったのだ!

歌い手は太ってもいないし、オバサンでもなく、意外なほど若くて奇麗な女性。
どこか他の店で一仕事を終えてきたという感じで、慌ただしく駆け込んできて、まずマリオともう一人のギタリストに挨拶のキスをする。

で、一呼吸おいて、おもむろに始まり始まり・・・なワケだ。




んがっっ!あなどってはイカン!

どきゅーーーーーーーーーーーんん!!
刺さりましたよ、胸にっっっっ。

ま、音楽にまったく造詣のない私なので、これ以上は語れませんのですが。。。(T_T)
ネエサンの見てくれからは想像できない、太く重々しい深い声。
黒いショールの房を切なげに握りしめ、ナントカ~カントカ~ポルトガウ~♪って・・・・。
ああ・・・・・。
これがファドなのね~。

面白かったのは、歌い出す前に歌手のネエサンがいちいちギタリストに曲名を耳打ちすること。
打ち合わせなしのぶっつけ本番らしい。

もっと面白かったのは、地元客の中年グループが、歌に合わせて勝手にコーラスをすること!!
その光景はまるで、古き良き時代の歌声喫茶(リアルタイムでは知りません、念のため)。
それもまた良い声だった。
オバサン客3人がひとつのパートをまるまる歌ったり、掛け合いのように歌手と交互に歌ったり、つまり客と歌手とのセッション。
いいなあ~。みんな気持ち良さそう。
はあ~、これがファドなのね~(再び)。

それにしてもポルトガル・ギター。
形も不思議だけど、音も不思議。
張りのある明るい音だけど、ひとつの音が同時に二つの音に聞こえる。
一方は重く地を這うように響いてきて、もう一方は上の方から降り注ぐように響いてくる。
んん~。口ではうまく説明できないなぁ。
天井がドーム型なのにも影響するのか?

一人の歌手が5曲くらい歌うと、何事もなかったように照明が元にもどり、マリオ・バシェーコは席についてただの飲んべえジイサンになり、キッチンの窓が開き、控えめな喧噪が始まり、ウエイターが歩き回り次の料理や飲み物が運ばれてくる。

それを三回繰り返し、歌手も3人入れ替わったところで、食事も終わったし、眠くなってきたので帰ることに・・・・。
タクシーを待っている間、店のオジサンたちと話しながら時間をつぶした。

「どこでポルトガル語を覚えたの?ブラジルに住んでたの?」
「え?ブラジルってわかる?」
「わかるよーっ」
 へえ・・・そうなんだ。

「もっとたくさん話したら上達するよ」って言われた。

・・・でも、この旅は、ポル語にサヨナラするための旅でもあるんだ。
ポル語を中途半端に知ってるお陰でスペイン語が頭に入らない。
この旅で思い切りポル語をしゃべって未練(なのか?)を断ち切り、これからはスペ語修得に邁進するのさ!・・・・オジサン、今度来るときにはスペイン語でしゃべろうぜ。
↑もちろん、こんな難しい話はできなかったけどね。

また次の店へ行くという三人目の歌手ともちょっと話し、彼女のサイン入りのCDを買った。

隣の席に座っていたイギリス人のカップルも帰り支度をして出てきた。
男の人が、リチャード・ギア似の男前だったのに、今夜口説こうとしていたらしい連れの女性より先に酔ってしまい、最後のほうは居眠りしちゃったりしてちょっと哀れだった。

タクシーが着いた時には、外はますます寒さが増して、フロントガラスが曇っていた。
オレンジ色の街灯に照らされた狭く複雑な坂道を、ぐるんぐるん走りながら帰った。

なんだか、幸せな夜だった。

ただ、この店の料理はちょっと・・・・・。
バカリャウのオーブン焼きだったんだが、はっきり言ってマズイっ。
かなり残してしまった。
ウエイターに「気に入らなかったのか?」ってやっぱり聞かれた。
隣の人も料理を残していて、正直に「マズイ」って言っていた様子なので、私も真似した。
ごめんね。だってマズイんだもーん。
でも大丈夫、店の人は全然気にしてませんから。(ちょっとくらい気にしてクダサイ・・・(-_-;))

深夜0時を過ぎてホテルへ戻り、とにかく寝た。

翌日は6時に空港へ出発。
ホテルの人がお弁当を持たせてくれた。


ポルトガル最後の食事だ。
ありがとヨ!

乗り換えのフランクフルトまで、ポルトガル航空で行った。
座席シートが、昔のバスみたいなビニール製で、尻が冷たかった。

さよなら、ポルトガル。
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2005/12/09

四日目・午後から夕暮れ編・・・ 買い物三昧


昔ものすごく治安の悪い国に住んでいた経験から、ヤバそうな人に対する感知度がけっこう高い私。
上の写真は、人通りの少ない道でそんな人とすれちがう瞬間に、とっさに逃げ込んだ教会。
入ったとたん、正面のマリア様の彫像の美しさに圧倒され、体の力が抜けた。
思わず、40セントのロウソクを奉納(?)したデス。

あぁっ!でも教会入り口の足マットで靴裏の犬フンを拭かせて頂きましたッス。
ゴメンナサイ。。。(>_<)

さて、ブーツを買ったことで、お買い物衝動が再熱。
さあ、行くぞ~~!!

まず、ダニーへのお土産。
学生用の教材は見つからなかったので、旅行者向けのスペイン語短期修得用の本を買ってみた。
たまたま入った小さな本屋のお兄さんが、必死になって探してくれたので、買わないワケにはいけなくなった・・・情にヨワイ私。
自分用に、ポル語→スペ語のミニサイズ辞典も買ったじょ。



小さな、手描きアズレージョの店を発見。
馬好きの友人へ、タイルを一枚。


馬の絵のタイルは数枚あったけど、一番良い顔のが欲しかったので、他のタイルと組み合わせて壁に飾ってあったのをはずしてもらった。

紅茶好きの姑と友人へは紅茶入れ。
絵柄は印刷だけど、裏に聖書の詩篇の中の一節が書かれていて、それに由来する絵が。
7種類くらいの絵柄があって、選ぶのに迷う。


まるで貴重な薬草でも入れるような入れ物。
昔お茶は高価でめずらしいものだったから、お茶の入れ物や道具には凝ったものが多い。
ちなみに、ポルトガルのお茶文化は大航海時代に中国から入ってきたもの。
だからポル語でお茶のことは「Cha」(「しゃぁ」と発音)と言う。
スペイン語では「Te」(「て」と発音)。←こっちはイギリス経由で入ってきたんだろうね。

タオル類の質が良かったので、デザインがカワイイのを数枚購入。


陶器をくるんで持ち帰るのにも便利だし、お土産にもなる。

スーパーマーケットでもお買い物。
イワシのペーストが美味しかったので大量買い。


ナッツ類はブラジル原産。
どのメーカーのにも「ピリピリ味」というのがあったんだけど・・・。
材料の表示にも「カシューナッツ・塩・ピリピリ・・・」としか書かれておらず、唐辛子でもないようだし、ピリピリの正体が気になって買ってみた。
実際食べてみると、たしかに唐辛子ともコショウとも違うピリピリ感が・・・。なんだろう???

お酒を買いたかったけど、ラベル(下戸なのでラベルデザインで選ぶのサ)が可愛いのはどれもイタリア製。
酒も売っているこぎれいなカフェで、昼食代わりのおやつ。


タマゴとほうれん草のココット・パイ。
ここのコーヒーは美味しかった。


荷物はだんだん重くなってきたけど、そのまま鉄道でオリエンテ駅にあるヴァスコ・ダ・ガマショッピングセンターまで足をのばしてみた。
オヨヨ~近未来的な建物だ。


コロンボショッピングセンターよりはこじんまりしている。



1998年に開催されたリスボン万博会場の跡地で、ここの「国際公園」には大きな水族館もあるんだけど、荷物が重かったので見なかった。
これはショッピングセンター横にあるホテル。帆船のイメージ?



海風が気持ち良いので、おやつタイム。



ふと見ると、海の上を↓ロープウェイが横切っていく。


うぉっ!アレに乗りたいっ!!と思って追いかけてみたけど、乗り口が遠くて断念・・・。
(ロープウェイの下に映っているのは全長18kmもあるヴァスコダガマ橋)

オリエンテ駅の入り口でイベントをやっていて、世界各国の名産品の屋台が出ていた。
ブラジルの屋台もあったので、撮影・・・・


ところが、ここでデジカメの調子が悪くなる。
スライド式のレンズカバーがうまく開かず、画面に影が入ってしまう・・・。

しかし、デジカメを逆さまに持って写すと、重力でカバーが下がり、うまく撮影できることを発見。
したがって、これ以降の写真は、すべて逆さまです。



ファドハウスへ行く前に、一度ホテルへ戻る。
途中、量り売りのサクランボとチーズ揚げ(?)を買った。
夕食までのつなぎ。

さあ!お着替えして夜の街へ繰り出すのだ~~ぁぁぁ!!!
2005/12/08

四日目・日中編・・・ ここふじ「運」が付く

さてさて、四日目。
翌日は早朝に出発してしまうので、行動日としてはこれが最後の日。

本当は初日に行きそびれたシントラのオモチャ博物館や、国立古美術館へもう一度行っておきたい気持ちもないではないが、お土産も買わなくちゃいけないし、日中は中心街をうろつくことにした。

本日も晴天なり。
天気予報どうなってんじゃ?連日大ハズレ。

そういうことで、やってきましたリスボンの中心街。
地下鉄でロシオ駅まで行き、ロシオ広場からお買い物&散策スタートなのだ。
ワクワク・るんるん・・・・

めちゃ甘そうなお店。
一口大のお菓子ひとつひとつが手作り。



これが、ポルトガル名物バカリャウ
タラの他にもいろいろな魚の干物が・・・。



そういえば、ダニーに頼まれていた「ポルトガル人向けスペイン語教材」(世界各国の教材をコレクションしているらしい)も探さなくちゃ。

それに、何か、これぞポルトガル!っていうような観光土産も買いたいし・・・・。

↓バイシャ(下町)へ続く道。坂の多い街なのだ。




ところで、じつはこの日の夜、ポルトガルが世界に誇る伝統音楽ファドを聴くことになっているのだった~っ!(^O^)/

ファドを聴きながら食事ができるファドハウスのひとつを、出発前に日本の旅行会社を通じて予約してもらった。
観光客向けのおざなりな店だったらガッカリだな~と思ったけど、店の経営者がファドの有名なギタリストだということなので、まあ大失敗ってことはないだろうと期待。

それより、一応高級店として名を馳せる店なので、少しはドレスアップしなくちゃ
荷物にならない程度のキレイ目のカットソーとパンツは持って行っていたのだが、靴は思いっきりカジュアル!
かさばるので靴はあえて持たなかった。
どうせ座ってしまったら見えないし・・・とか思って。

でも、考えてみればポルトガルの有名な名産品のひとつが革製品。
たしかに、革製品や靴の専門店が多かった。

そうか!靴を現地調達するという手がある。

・・・ふふ、靴だけでなく、出来ればおしゃれな皮ジャケットなども欲しいな~。
もっと興に乗ってきたら、つま先から頭の先まで現地調達して、キメキメでレストラン行っちゃおうかな~(*^_^*)なんつぅことまで、密かに考えはじめていた。



↑クリスマスも近いので服屋のウインドウにはパーティー用のものが目に付く。
普通の人でも、マジでこんなん着るんだナア・・・。

しかしなぁ・・・ちょっと高級そうな店は敷居が高い(汗)。

それに専門店のほとんどは、一階が展示スペース、二階がショッピングコーナーと分かれているところが多くて、治安上の理由なのか、高級感を出すためなのか、わからないけど、一階にはレジもない。
買う気のある客だけを、豊富な商品がある二階へ連れていくというシステム。
だから、ぶらりと入って気軽に物色・・・という事ができない。
日本でだって、店員にあれこれ言われるの苦手なのにサ・・・・。



↑高級店が並ぶ通り。

でもその横の通りに入ってみたら↓こんな家庭雑貨のお店も。店先にほうきがたくさん・・・



うううう~ん。
あれこれと目移りしながら、これと言った成果もないままぶらぶらと歩く。

↓街の中に唐突にエレベーターがあった。


サンタ・ジェスタのエレベーター。古めかしい・・・・。
展望台があるらしいが、そのためだけに造られたのか・・・?

ここがもっとも賑わっていた通り。


もっと昼近くになると、カフェのテーブルで一杯になる。

海辺に近いPraca de Comercio(商業広場?)まで出てきた。



↑商業広場にあった騎馬像。
頭の上にカモメがずーっと止まっていた・・・・そこがお気に入り?


かなり歩き回ったけど、結局、昼近くなっても何ひとつ買えなかった。

なんだかな~。
一人だと、こういう時の盛り上がりに欠ける。
変なところで頭が冷えて、「買っちゃおうかな・・・えーい、買っちゃえ!」ってことに、なかなかならないものだ。

広告を見て期待して行った店にはことごとく裏切られ(或いは休業日、また或いはつぶれていて(-_-))、だんだん気持ちが萎え、何もかもが面倒になってくる。
やる気低迷・・・(-_-)。


↑「歩き方」にも出ていた有名な缶詰屋の“跡地”・・・・
ほんの数日前から工事が始まったもよう。まるで私が来るのがわかっていたかのようだ・・・(T_T)。

ごく親しい友人にしか旅行のことは話していないので、お土産なんてべつに買っても買わなくても・・・。
ダニーに頼まれたスペイン語教材は「探したけど見つからなかった」って言えば良いし(あるいは忘れたふり)。
靴だってサ~、なにも無理して買わなくたって・・・。
どうせ一晩のことだし、ダサダサの日本人観光客の一人くらい、何とも思われないダロ~よ。

ふんゲェ~~。だる~い。
どっかでおやつ食べてホテル帰って昼寝でもすっかな~
・・・ってところまでテンションが下がり切った、その時だった!

足の下で何かやわらかいものが、ふにゃリとつぶれ、次の瞬間、靴底がツルンッと!!??

・・・・・・・・・・ウン○ 踏みましたからぁぁぁぁぁぁぁ《T∇T》ρ
             ホヤホヤのやわらかいヤツ。
       アハハ・アハハハハハ・・ハハハハ・・ハ・・・・ハ

お散歩中のワンちゃん、たくさん居たのヨ。
↓しかも野良のくせに着衣の犬をよく見かけた。誰が着せた?






この件で背中を押され、結局靴を買いました。

犬ウン○付きの靴でファドを聴きに行くなんて、さすがの私にもはばかられ・・・・・(=_=)


以前から欲しかった乗馬靴風ブーツ。

これを買ったことで拍車がかかり、この後どんどんお買い物が進むのであった・・・。
この続きは次回。
2005/12/08

三日目・まだまだ遊べるのだ!


閉館時間ぎりぎりまでねばって国立古美術館を出た時には、すっかり日が暮れかかっていた。
上の写真は、美術館の出口から見えていた風景。

遠くに見えているのがPonte 25 de Abril(4月25日の橋)。
テージョ川の河口をまたぐ橋で、交通量が多かった。
1966年に完成したそうだが、4月25日に造られたワケではなく、1974年のこの日にクーデターが起こり新政府ができたことを記念して、それまで独裁者サラザールの名がつけられていたこの橋の名前を4月25日橋と改名したとのこと。
けっこう新しい歴史だ。

さて、日は暮れても時間はだま6時を過ぎたばかり。
夕食には早いので、地下鉄に乗って、巨大ショッピングセンターへ繰り出すことにした。
イベリア半島最大規模といわれるCentro Comercial COROMBO(コロンボショッピングセンター)。


この写真ではさっぱりわからないと思うけど、いやはや本当にデカかったッス。

田舎者はただただオロオロと歩き回るだけで、人ごみに酔い、物の多さに酔い・・・オェ~。
歩いても歩いても全貌がつかめない。
でも、どうやらこの建物は、円形の広場を中心に放射線状に巨大廊下が幾本も伸びている、すなわち網走刑務所、あるいは北海道大学恵迪寮と同じ構造のようだった(ローカルですみません)。


観光客向けのちょっとおしゃれなお土産屋があるかな?と期待していたが、旅行者など相手にしてくれない雰囲気の、最先端ファッションや高級インテリア店ばかり。
さすがに店内の写真は撮れなかったけど、フランス製のハンドメイド・アクセサリーの店がステキだった。
硬質のビーズやガラスと、やわらかい布を組み合わせたネックレスやブローチ。
言うなればロココ調。でも新鮮!デコラティブでゴージャスなのにカワイイ。

ふくらはぎがパンパンになるくらい歩いたので、カフェで一服。


コーヒーとセットになっていた菓子(食べかけで失礼)はリンゴのペーストのミニパイで、甘さがお上品だった。

強いお買い物衝動にかられたのに、結局何も買うことが出来ず、戦い破れてムナシく退散・・・。

地下鉄を乗り継いで、とぼとぼホテルへ帰る途中、閉店後の店内にガードマンならぬガード犬が・・・。


目が合うと、嬉しそうにシッポを振っていた。
全然強そうじゃないんだけど大丈夫なのか?

この日の夜は、もう外へ出るのが面倒になり、ホテル内のレストランで、ガスパッチョ(冷たい野菜スープ)とパステイス デ バカリャウ(干タラをほぐしたものをコロッケにしてある)を食べた。
味はまあまあ・・・なのだが、バカリャウ料理は昔ブラジルで美味しいのを食べたことがあるので、それと比べると、正直ちょっとものたりないかなぁ。
それに、やっぱり日本人は魚料理にウルサイのデス・・・。

スープの量が多くてお腹いっぱいになってしまい、料理を全部食べるのが辛かった。
料理を残すと、ウエイターに「気に入らなかったのか?」と必ず聞かれる(しかも怒ったような口調で)。
こういう時、どう答えれば良いのか迷うところだ。
一応「美味しかったよ。でも私には多すぎたのサ」と答えておいた。

そんなことで、三日目が終了。
充実した一日だったけど、さすがに疲れた~~~。
2005/12/06

三日目・ピンチを切り抜け、美術館へ急ぐのだ!


     Hieronymus Bosch(ボッシュ 145?-1516)「聖アントニオの誘惑」
             リスボン国立古美術館所蔵

そもそも今回の旅先がなぜポルトガルだったか?と言えば、ブラジルで覚えたポルトガル語を忘れないうちに、本場のポル語に触れてみたいというユルい(?)動機だったんだけど、いろいろ調べているうちにリスボンの国立古美術館がボッシュの絵を所蔵していることを知り、これは絶対に見に行かねば!と強く思いはじめた。そして、いつしかそれがこの旅の最大の目的になっていた。
だから、何が何でも行かねばならなかったのだ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!

さて、国立民芸博物館でトイレへ行く希望がはかなくも絶たれ、私の膀胱はかなり危機に瀕していた。
周りを見渡しても、船着き場と公園と茫漠たる海岸線で、トイレを拝借できそうな建物などまったくない。もちろん、人目につかない竹ヤブなんかもないサ(-_-)。


↑発見のモニュメント。リスボン観光名所です。
でもトイレはない(涙)。


地面のモザイクも美しい。
でもトイレはない(涙)。

困った。困った。困った。「金がない!」より困ったモンダイだゾ。

ふと見ると、道路の反対側に世界遺産ジェロニモス修道院が!
そしてその隣には、何だかわからないけど真新しい巨大な建物も。
あそこなら、きれいなトイレがあるに違いない。
が、しかし、そこへ行くには、交通量の多い4車線道路とフェンスで阻まれた線路を越えなくてはならなかった。


どうやって・・・どうやって、あそこへ行く?
見えているのに、行けない!!!
かろうじて、かすむほど遠くに陸橋が見えた。あれを渡るしかないのか・・・・・だとすれば、もうアウトだな。

道路の向こうのジェロニモス修道院を切なく眺めながら歩いていると、駐車場整理か何かをしていたヒマそうなニイちゃんが日本語で「コンニチワ」と話しかけてきた。
すまぬ!アンタに関わっている場合じゃないんだ!と思いつつ歩き過ぎると、ニイちゃんはさらにしつこく私を呼ぶ。
仕方なく振り返ると、ジェスチャーで「すぐ近くに道を渡る地下道がある」と教えてくれて、なぜかウィンクした。
お・・・・お・・・・おぶりがぁだ~~っっっっ!!(ありがとう)
ニイちゃん・・アンタ,遊び人風のやばい男に見せかけて、じつは天からの使いだったのかい?

ま、とにかく必死の思いでたどり着いたジェロニモス修道院。
見始めると長くなりそうだったので寄るつもりはなかったのだが、その隣にある真新しい巨大な建物(ショッピングセンターのようだった)だと迷い込んでしまったらトイレを探すまでに時間がかかりそうだったので、修道院のほうを選んだ。
入館料4.5ユーロ。高いっ・・・しかし、背に腹は変えられぬ。
おつりを受け取るのもそこそこに、受付のネエさんに詰め寄る。
「どんでえすたぁばにぇろ~っっっ?」(トイレはどこだ~っ)
順路を無視して、WCマークに向かって突進。

がっ、しかし!!!

トイレまであと数歩というところで、この旅行中初めて遭遇する日本人団体客が!
運悪く、ガイドの話が終わってちょうど解散するところだった。
やばい!と思って歩を早めたけど、0.数秒の差で「トイレあそこヨ!」のかけ声と共にオバチャンたちが一斉に駆け出したのだった。
瞬く間に、トイレの前に行列が・・・・。
ああ神様、絶体絶命デスっっ(ToT)!

経験済みの方も多いことだろうが、こういう時って立ち止まることができない。
歩を止めたら最後なのデス。。。。ジョロ~
だから、その行列にじっと並ぶこともできず、もはや尻に込める力も尽きて、朦朧とする意識のまま修道院の中をさまよい歩いた。
トイレは美しい中庭に面していた。


トイレの近くには、地下へ続くいかにも修道院らしい階段。


(↑手ブレ防止機能付きのはずなのにものすごくブレてます。もう手が震えてたもんで(=_=))

世界遺産に4.5ユーロも払って入ったのにもかかわらず、落ち着きなくやみくもにウロウロする私
階段の横の部屋は、荘厳な礼拝堂。
吹き抜けの高い天井、みごとな装飾と聖人たちの彫像・・・ああ、イエス様。
こんな私のためにもあなたは血を流して下さった。
膀胱は切迫しつつも、どこか諦観した心持ちで十字架の上のイエスキリストを見ると、マジで泣きそうになった・・・・でも、あなたの前でも、私、立ち止まることはできないんデス。
・・・・神のご慈悲なのか?イエス様を見上げると同時に、不思議と尿意が去っていった。
しかし、これはもっと悪い事態に至ってしまったということだ。
子供の頃なら思考停止と同時にジャ~~・・・・だろうけど、大人は簡単にそうならないんだな。
そのかわり、ようやく用を足したあとも、残尿感と鈍い腹痛そしてまたすぐ尿意が・・・という症状になってしまった。うっ、うっ・・・。

入口と出口は同じ場所なので、こんなに早く出ていくと「あ、トイレに行きたかっただけなんだな」ってバレバレで恥ずかしかったけど、国立古美術館をゆっくり見たかったのでさっさと出てきた。

修道院前のバス停でバスを待っていた老人に、私が乗るべきバスを教えてもらう。
思えば今回の旅では、道を尋ねると誰もが親切に教えてくれた。
分かり難い場所なら、方向を教えてくれるばかりでなく「ここまで行ったらもう一度誰かに尋ねなさい」と言ってくれる。本当に感謝だ。
旅行中、無数の「こんりせんさ」(ちょっとすみません)と「おぶりがーだ」(ありがとう)を言った。

しかしだね・・・まだまだ美術館までの道のりは遠かったっ!

教えてもらったバスに乗ったのは良いけど、車内の電光掲示板が故障していて次の停留所名がわからない。アナウンスもない。
運転手のそばに立てればよかったんだけど、混んでいたので後部まで押し込まれてしまった。
乗客にもちょっと聞ける雰囲気じゃなかったんだな(仕事帰りの労働者のどことなく険しい倦怠ムード)。
で、距離的にこの辺りだと見当をつけてテキトーな停留所で飛び降りてしまった。混んでるバスに乗っているのもちょっと不安だったし(安全面で)。

が、完全に迷った!

ここはどこ?



まだ迷子。


↑改装中とか取り壊している建物とかを見ると「これが自分の目的地じゃないか?」と思ってしまうのは、負のパワー絶大な私の悲しい習性。

かれこれ1時間近くさまよい歩いた末、ようやく見知った番号の市電を見つけ、見知った場所まで戻ることができた。仕切りなおして、再出発。

無事に国立古美術館に到着しました。
この正面入り口に至るまでがわかりづらすぎデス(涙)。


しかも一部改装中で、入り口が二つに分かれている。
(閉まってるかと思ってあせったじゃんかヨ~)
午後2時~6時という、それでなくても短い開館時間なのに、時はすでに午後4時。
ぬぉ~~~っっ。

時間がない!!
適当に流し見て、早くボッシュのところへ・・・と気持ちはあせるんだが、困ったことに膨大な展示物のどれもこれもが、面白すぎる!
さすがポルトガル。航海時代に収集したコレクションはすごかった。
日本も含め、その国ではすでに失われてしまったであろう素材と技術を駆使した工芸品の数々。
何を見ても釘付け!
見応えありすぎて困る。

韓国出だと思われる半伽思惟像が日本の広隆寺のそれにそっくりでビックリしたが、虫食いの修復の仕方がまるっきり西洋的で、しかもニスでピカピカにされていたのがちょっと哀れ・・・。

広い館内に観覧者は私一人。
誰もいないからこっそり写真撮っちゃおうかと思ったが、やっぱり出来なかった(小心者)。

もちろんボッシュは、わざわざ見に来た甲斐があった。
閉館時間が近づいて、私の後ろから付いてくるスタッフが通り過ぎるそばからどんどん電気を消していくのだが、そのプレッシャーを押しのけてじぃーーーーーーーっと見た。

それより、じつは絵画よりも、私を惹き付けたのは16世紀頃のポルトガルの彫像コレクション。
どれもこれも、衣装の表現や顔の表情、体のバランス・・・どことなくカワイイ。
持って帰りたかった。



本日のお買い物。


図録ばっか・・・重かったッス。