
写真解説:ダンナ妹んちのワンコのツンデレ振りを楽しむmyダンナ。
画像と本文内容には全く関連性はありませんので、あしからず。
只今、ちょっと悩んでいる。
しばらく遠ざかっていた「公募展」っちゅうもんに、今年は久しぶりに攻め込んでみるかと思っているんだが、昨年末にエントリーした某公募展、後で募集要項をよくよく読んだら、出品料がえらく高い。
昨年から気に入っている、楽○の激安着物ネットショップの紬着尺なら、軽く2反は買えちゃうゾ。
埼玉県某所の激安着物屋なら、数えるのも面倒になるくらい買えちゃいそうだ。
(もちろん、本物の呉服屋さんなら伊達締めくらいしか買えないんだがね:泣)
・・・が、私が「高い高い」と騒いでいたら、モノ作りの友人らは「これってわりと普通じゃね?」という。
そうなんだぁ・・・ふーん。
たしかに、まともな(感じのする)公募展ならだいたいどれも出品料1~3万円程度はかかるらしい。
ま、それならそれでいいんだけどサ。
それよりも、正月の留守中に届いていた詳細書類(今頃になって開封)によると、コンテスト応募作品は某老舗美術系出版社刊の図録に掲載されることになっていて、その「掲載料」っちゅうのが、さらに高額なんである。
プロのカメラマンが作品を撮影してくれるってことらしいけど、それにしても、出品するだけでお金かかるっていうのに、さらに図録掲載料までむしり取る・・・あ、いや、お納めするもんなのかねぇ。
一応「日本初の本物のクリエイターを選ぶ本格的な芸術展」ってたいそうなうたい文句のコンテストで、応募資格は「ある程度の作家活動をしていること」「他で受賞歴があること」「書籍等の掲載歴があること」なんていう条件がついていて、出品者の多くは、カルチャー教室とかの講師などらしい。
なので、たとえ賞を獲れなくても「こんなたいそうなコンテストに出品して、こんな立派な図録に掲載されたんざますのよ~」ってことが、生徒に対するハク付けになるんだろうと想像する。
そう考えれば、もはやコンテストそのものがハク付けの道具であって、だからこそ、賞を獲ろうが獲るまいが(つまり実力に関係なく)、何が何でも図録に載る必要があるってワケだ。
その後の仕事のための宣伝費、あるいは自己投資と思えば、ちっとも高い額じゃないのかもしれない。
以前、とある美術年鑑の類に作品を掲載しないか?と勧誘されたことがあるんだが、掲載料は20万円とのことだった。
私、受話器に向かって思わず、むせた。
すっげぇ思いっきり咳き込んじゃって、仕方ないから病弱なフリしたよ。
・・・でも、コレもわりと普通らしいんだな。
「作家」の肩書きを得るために(?)、みんな普通にそれくらい支払ってるってワケだよね。
なんだかね・・・この度の「新○舎」破綻のニュースの直前に、続々と暴露されていた「出版詐欺疑惑を訴える人たち」の体験談にも、身につまされるモノがあった。
絵にしても文章にしてもその他の表現物にしても、とにかく自分の「作品」で生きていくってもちろん大変なことなんだけど、実際には、その道筋に辿り着くまでのほうが、精神的にも経済的にもすごく大変なんだな。
本来なら、いちばん大変なのは「作家でありつづけること」「クオリティを保って創作活動を継続すること」のはずなのに、現実には、そのはるか前段階で、
落とし穴があったり・・・
障害物があったり・・・
踏みつけられたり踏みつけたり・・・
足をすくわれたり足元を見られたり・・・
・・・と、大きな試練がいっぱいあって、それらの難関を無事にクリアできた頃には、エネルギーも枯れ果て、才能という名の翼も無惨にズタボロ、もやは純粋で夢のある物語など編み出せるはずがないくらいに疲れ果てている・・・ってことが、往々にしてあるんだろうなぁと想像する。
・・・ってことは、現在第一線で活躍していて、人々に夢を与えている作り手たちは、みんな、本当は世の中のどろどろをくぐり抜けて、汚れた手と口を物陰でぬぐって素知らぬ顔をしている人ってことなんだろうか。
そうではないと思いたい・・・・でも、ま、多少はそうなんだろうケド。
本当は、この世界を勝ち抜いていくための武器は唯一無二の自分の「作品」であるはずなのに、実際にはそうじゃないたくさんのモノを要求される。
戦いの場所へ行ってみたら、「ソレ(作品)は横に置いといて、別の剣を持て」と言われる。
つまり、多くの場合、それは「サイフ」。
そんなことをやっている間に、肝心の「作品」をどこかへ置き忘れてきてしまうんだ。
あるいは、「作家」という名前を買うために、自分の「作品」を失う・・・。
こんなことで、本当に良い作家なんて育つんだろうか。
しかしまあ、これはあくまで凡才の場合のハナシ。
本当の本物の才能を持つ人には、全然当てはまらないハナシのはず。
・・・というワケで、凡才な私は、激安ネットショップで紬着尺2反は買える金額を支払って、某コンテストに参加するんである。
でも、図録掲載は辞退するだろうな・・・・
だって、掲載料で、ネットじゃない本物のデパートの呉服店の長襦袢一枚くらい作れちゃいそうなんだもん。
それとも何もかもぜーんぶやめて、そのかわりヤフオクで見たカツオ縞の藍染め紬を買ってしまうべきか???