
桐生天満宮の骨董市や織物参考館や織物記念館などで買ったものをゾロゾロと並べてみました。
材料用に買ったものは、さっさと解いて洗ってしまいました。
右側の4枚は、織物記念館で買った化繊の帯の端切れと、正絹のネクタイ地です。
どちらもバッグ作りに使おうと思ってます。
織物記念館には、地元製の繊維製品などが少しだけ展示販売されていて、お土産用の端切れなどもあるんですが、帯そのものはありませんでした。
さて、前回からの続きです。
織物の街・桐生で、買えなくてもいいから産地の織物をたくさん見たいと思っていた私たち。
しかし、なかなかそんな場所は見つけられません。
着物イベントで町おこしも試みているはずの桐生ですが、いたるところで「着物なんて興味ある人はいない」と思い込んでいるらしい雰囲気を感じました。
そんなことはないゾ!あきらめるな桐生!
ま、そんなこんなで、どことなく不完全燃焼のまま帰途についた私たち。
ところが・・・・。
国道を走り、間もなく桐生市内を出るという頃になって、夢のような場所を発見したのです!
・・・っていうか、今でもアレは夢じゃなかったのかと疑ってるワケですが。
正直、最初は「つぶれてる?」って思ったほどの寂れたドライブイン的な観光センター的な建物に、そのコーナーはありました。
客といえば、トイレ休憩の小学生の団体しかおりません。
まるで保護者のような感じで、わらわら走る子らと共に建物に入ってみました。
こんなところで買うべきものは「桐生に行ってきました饅頭」(実際あるのかどうかは不明)か、こんにゃく玉キティ(これも未確認)くらいか?と想像しながら、無駄に広いお土産物コーナーを見渡してみると、さらに奥、死角となる場所に、もっと広大なスペースがあるのです。
そこに足を踏み込んで、びびびびっくりしました!
なんと、そこには、私たちが思い描いていた通りの光景が広がっていたのです。
はるか奥へ向かって延々と続く呉服コーナーですよっ!
こんな深部まで踏み込む客などおらず、閑散としています。
照明までが、どことなくヤル気なさげな薄暗さ。
まさかこんなところで着物を買う客などめったにいないだろうから、店員も最初から販売意欲のカケラもない感じで、こちらには目もくれません。
あああ、なにもかもが理想的(笑)。
これよ、これ!
求めてたのはこういうコトなのよ!
反物よりも仕立て上がりの着物が多く、しかも値段が安いので、ん?と思って触ってみると、素材は化繊でした。
そうそう、かつては銘仙や御召しの絹織物で名をはせた桐生ですが、現代は化学繊維の製造が主産業です。
後で聞いたところによると、国内に出回っているポリエステル和服の100%が桐生産とのこと(製造メーカー談)。
大手百貨店オリジナルや有名ブランドのプレタ着物も、全部ぜーんぶ桐生で織られたものだそうです。
まあ、とにかく、そんな着物や帯が累々と並んでおります。
ポリとは言え、どれもこれも新品、もちろん現代サイズ。
骨董市や古着屋で、シミがないか?サイズは合うか?着用可能か?と恐る恐る見るのとはワケが違います。
骨董市などで好きな柄を見つけても、自力お直しが出来ないのでサイズが小さめのものは躊躇してしまうんですが、そんなストレスや欲求不満がすべて解き放たれる場所でした(正絹でないことを除けば)。
しかも、店員につきまとわれることもなく、見放題!触り放題!
ポリばかりかと思っていたら、一部には正絹の夏帯などもありました。
しかも、どれもが面白い柄で素敵です。
・・・ふと、オさんがつぶやきます。
「これ、もしかして夢なんじゃない?」
たしかに、端から順に見ていくと、奥に行くにしたがって、次から次へと好みの物が現れるんです。
魔法じゃないのかと思ってしまいました。
まるで、空腹で森の中をさまよい歩いたヘンゼルとグレーテルが、お菓子の家を見つけたよう。
もしかしたら、このまま奥へ入っていくと、二度と出口へは戻れないかもしれない。
奥には怖い顔の魔法使いが待っていて、たっぷり太らされて食べられちゃうのかもしれない。
あるいは、大喜びで買って帰って翌朝見ると、ぜんぶボロボロの着物に変わってたり、受け取ったおつりが葉っぱになっちゃってるかも。
でも、走り出した欲望はもう止められません。
むさぼるように次々と好みのものを手に取っては「あー!あー!」と言葉にならない叫びを上げ、「柄がいいけど色がなぁ」と思えば、まるで待ち構えていたかのように何色もの色違いが出現して、また叫んでしまいます。
ひそかに半幅帯が欲しいと思っていた私。
そう思いながら振り向くと、そこには膨大な量の半幅帯が積み上げられたコーナーが。
そして、用意されたように、もうこれ以上はないってくらいの好みの柄がありました。
おまけに半襟も。
普通の和装雑貨屋などではあまり目にしたことのない織りの柄です。
刺繍よりも気軽に使えそうです。
コレクションしている藤の柄もありました。
これも「白はozawamiさんからいただいたのがお気に入りなので、次に買うとすれば黒かな?」とつぶやくと、ちゃんと理想通りのが出現します。
さっきまで何もなかった場所に、忽然と現れたかのようでした。
やっぱり、これは夢の中だから、念じさえすれば欲しい物が出てくる場所なんです!
その証拠に、何気なく覗き込んだショーケースの裏側に積まれた段ボール箱の中に(店員がいないので好き勝手な行動-_-←いいの、夢だから)、思いっきりツボを突いたものを発見し、稲妻に打たれたようになったオさん、次の瞬間に理性は決定的な崩壊を遂げました。
しかも、しかもですよ。
いざお会計をしようとすると、どこからともなくやってきたおじさんが、これは有名ブランドの○○だとか百貨店の○○に出してるものだとか説明した後、「えーっと、まあ×××円くらいになりますかね」(かなりテキトー感のある割引率)と、これまた驚異的な安値を提示するんです。
本当に、そのまま仰向けで倒れそうになりました。
思わず、おじさんの尻にシッポが生えていないか確認してしまいましたよ。
よくよく聞けば(っていうか聞いても聞いても話の全貌は理解できなかったんだが)、そこはどうやら織物メーカーがやっているお土産屋で、呉服コーナーはショールーム兼在庫置き場であるようでした。
「知っている人は、わざわざここまで買いに来る」とは言ってましたが、そんな客はめったにいない様子で、売れれば儲けもん的な雰囲気も漂ってます。
(↑実際はどうなのか知りませんよ。とにかく私たちがいたあの時間帯はそうでした)
疲れてる時によく見るタイプの夢ならば、買おうと思ったらサイフに金がないとか、お金を払い忘れてしまうとか、全然違うものを買ってしまうとか、店そのものが消えてしまったりするものです。
そうならないうちに、あわてて会計を済ませ、出口のお土産コーナーで群馬名物こんにゃくアイスを買って店を出ました。
おそるおそる振り向いてみたら、店は、消えてなどおらず、最初に見たままの姿でそこにあります。
つぶれてるんじゃないかと思うほど寂れているのもそのままでした。
私たちの姿も、急に白髪になっていたりはせず、元の通りです(たぶん)。
ただ、私たちが出たあと、すぐに店の照明が消えたのが若干気になりましたが、よく考えればもう夕方6時過ぎですから、ちょうど閉店の時間だったのでしょう。
・・・そう思うことにします。
↑幻だったワケではないらしい、お買い物の中身。
一夜あけても消えてはいませんでした。
そして、確実に、サイフは軽くなってます。
↑左にある白い陶製のリング、これ何かわかりますか?
織物参考館で買ったんですが、昔の織物工場で実際に使われていたもので、御召しを織るためのの糸に「撚り」をかけるときの重りなんです。
小さく書いてある漢数字は重さを表すもので、これが重いほど、糸に強い撚りがかかります。
何かに使えそうだったので買ってみました。
下に敷いてあるのは、キモノの形のコースター。
一枚一枚スタッフが手作りしてるそうです。
それと、右のは、先々週行った栗の家の骨董市で買った帯。
写真がごちゃまぜでスミマセン。
地色が鮮やかなピーコック・ブルーで、私には使いこなせないかな?と思いつつも、柄の面白さで買ってしまいました。