キモノな寒い日
ひさびさに体感する氷点下。
あ、べつに今日が今季最初の氷点下だったワケではないです、おそらく。
ひさびさに早起きしたら寒かったってことなんですが。
ちょっとした材料を買いに東京へ行ってきました。
せっかくなので、ついでに銀座に寄って「日本のおしゃれ展」を見ることに。
最終的にはすっかりこっちがメインな感じに。
持ってる中でいちばん分厚いキモノを着ました。
意味不明な織り柄の紬と、先日縫った小紋リメイク名古屋帯。
これにウールの和装コート。
ショール。
長い手袋。
足元は、ヒザ上までのびる足袋ソックス+べっちん足袋。
これが、私がいま出来る、最上級の防寒装備です。
この格好をしながら思い出したんですが、子供時代を過ごした北国の酷寒地では、ご婦人の冬の和装といえば、モコモコのウールコートにキツネのマフラー、足元は雪下駄でした。
雪下駄って今でもあるのかなあ?
下駄の先にアザラシとかの毛がついた「ツマ皮」が鋲で打ちつけられていて、下駄裏の歯には、アイスバーンをザクザク歩くために、鋭い金属のスパイク(?)がついてるのです。
お正月の雪道には、よくこの金属が落っこちてました。
それだけを単独で見ると、鋭くて複雑な形がなにか不吉な凶器のようで、なんだかドキドキします。
見つけるたびに拾っては、こっそりコレクションしてたんですが(笑)、狭い町なので、たいていの場合落とし主がわかって、返すことになるんですけどね。
不吉といえば、キツネのマフラー。
顔も足もそのままついてるヤツ。
あれも、どうにも苦手でした。
でも北国マダムの必須アイテムでしたからね、嫌いと言っても、やがてどこかから巡ってきて、たいていどこの家の奥さんも、ひとつやふたつは持っているんでした。
お店で買うんじゃないんですよ。
猟師が、打った獲物を毛皮屋さんで(あるいは猟師自身が)加工して、知り合いに配るんです。
そう考えれば、地域の独特な生活から生まれた特産物ですね。
北方少数民族の人たちが暮らしに生かすアザラシやトナカイの皮みたいなものだと思えば、それはそれで愛しいものかもしれません。
たしかに、人造物にはない、しなやかな温かさなんです。
ただ、顔がねぇ・・・・。
とまあ、コートとショールでモコモコになりながら、ふと足元を見ると、むき出しの足袋先が寒々しく見えたので、そんなことを思い出した次第です。
おしゃれ展、すごい賑わいでした。
もちろんキモノ姿の人もたくさんいました。
家のタンスにあった昭和のキモノを「とにかく着てみた」という風情の若い女性もちらほらいて、なんだかほほえましかったです。
ワタクシ的には、やはり結城紬と和更紗の組み合わせが、も~ぅひたすらため息。
それと、帯留コレクション。
とくに彫金帯留の精緻な技術と表現力には圧倒されました。
なんかすっかり気分が盛り上がっちゃって、階下の呉服コーナーでついつい帯を買いそうになりましたけど、ギリギリのところで踏みとどまりました。
夕飯食べて帰るつもりだったんですけど、そういえば今日は七草粥を食べる日だと思いだし、家に帰って、七草はそろわなかったけどカブの葉と、しなびた余り野菜でお粥作って食べました。
ザギンで豪華なおしゃれ展を見たあと、ジャージ姿でお粥食べてる自分・・・。
ううん、いいのよ、これで。
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