ツメバケイの帯
急いで出かけたので、羽織を忘れました。
けど、日暮れ後は肌寒くなったものの、日中は羽織ナシで充分。
せっかく仕立てた羽織も、出番があまりないまま季節はどんどん移り変わってしまいます。
襦袢に付けっぱなしの半襟に合わせて選んだキモノ。
相変わらず半襟取り替えるのを面倒がってます。
ピンクのぜんまい紬。
玉ねぎ染の帯揚げ。
抽象柄の八寸帯。
・・・・この帯、「モノ作りの材料にでも」と譲り受けたものですが、人形にもバッグにも、どうにも使いにくそうな帯で、結局いただいたまま10年近く眠らせてあったものです。
今日のキモノに合うかな?と、段ポール箱から引っ張り出して締めてみました。
最近ようやく八寸帯の魅力(?)に目覚め始めたところ。
季節を限定しない抽象柄の無難な八寸、なんだかんだ言って重宝するんですよねぇ。
お太鼓部分。
どこまでも主張もなければ意味もない抽象柄。
・・・・・と、思っていたんですが!
長さが足りないので、お太鼓柄の全貌が見えてませんが、じつはこんな柄なんです→
これ、何に見えますか?
意味のない抽象柄だと思い込んでましたが、コレ、じーっと見てると、なにか生き物の絵なんじゃないのか?と思えてきます。
さらに言えば、コレもしかして、アマゾンの熱帯雨林に生息する爪羽鶏(ツメバケイ)じゃないのか???という気が。
ものすごく不思議な生態を持っていて、始祖鳥の生き残りと言われている鳥です。
実物を見たことがありますが、羽を抜かれて調理される直前の七面鳥にしか見えませんでした、私には。
オーブンに入れられる寸前の七面鳥が、高い木の上で巣を作ってたんですよー。
・・・オェッ。(←鳥肌キライ)
まさかわざわざそんなマニアックな鳥を、帯の柄に、しかも高い汎用性が求められる八寸帯の柄に採用するとは考えにくいので、きっとやはりこれはあくまで抽象としての「鳥らしき絵」、あるいは偶然鳥っぽく見えてしまう抽象画なのでしょうけど、もう私にはツメバケイにしか見えなくなってしまったので、我が家ではこの先永遠にこれはツメバケイ帯と呼ばれ続けることでしょう。
それはさておき。
本日はギャラリー当番でした。
訪れたお客様のキモノ姿。
って、じつは毎度登場するA子さんです。
相変わらずのこなれた着姿。
手織りではないかと思われるやわらかい色合いの格子の紬に、塩瀬の染帯。
顔切れですが、左は私。
右は、現在個展を開催中の作家Yさん。
個性的な緑色のキモノは、柄が良く見えませんが、麻の葉をひねって風車のような形になっている江戸小紋です。
半襟は黒に近い濃紺の水玉。
帯は、どこかの少数民族のエスニック柄を思わせる雰囲気の紬八寸。
さあ、キモノで出かけるのにちょうどよい気候です。
もっと着たい!
億劫がらずに、できるだけ着る機会を増やしたいです。
ま、半襟付けるのは面倒ですけどね(-_-)。
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