これこそ、忘却の彼方に葬り去られていたキモノ。
胸元のシワ具合がそれを物語っている(笑
おそらく、もう9年もやってるこのブログにも、一度も登場したことはないはず。
リアルな知り合いでも、これを着ている私の姿を目撃した人は、ほぼ皆無。
いたとしても3人程度だけど、今は疎遠になって、もはや知り合いとは呼べない。
遠い昔、ちょっとだけ通っていた茶道教室で急きょ必要になって、デパートの呉服売り場に駆け込んでビニール袋にぺったんこに詰められてセット売りされていたプレタを、ほとんど中身も見ずに買った・・・んだったと思う。
着物も帯も小物類もことごとくポリで、はじめて着たときに、まるでラップでぐるぐる巻きにされたみたいな狂気的暑さで、途中で体調が悪くなったのを覚えてます。
つまり、これが私の夏着物初体験。
そしてその思い出を、ほとんど憎んでいる。
セットだった帯は、たしかヤフオクで売ったんじゃなかったかな。
どうして帯だけしか売らなかったのかといえば・・・・着物も出品したのにまったく入札がなかったから。←爆
まあ、そんなポリ絽。
おそるべし、マイファースト夏着物。
もういつ以来なのか、数えることさえできない歳月を経て、本日、袖を通しました。
銀糸で葡萄が織りだされた紗帯。
麻の襦袢に、絽半襟。
・・・・・あ、あれ?
意外と涼しい。
軽い。
さらっとしてる。
すーっと風が通る。
あれ?
ああああれれれれ?
初めて着たときには、たしか、襦袢もポリだったんではなかろうか。
それだけでもう充分暑いはず。
それがなければ、ポリとは言え、織り目の隙間が開いているんだから、少しは風が通るんですよね。
そして、今回驚いたのは、なんとこの柄、よく見たら私の大好きな野ブドウじゃありませんか?!
えーーーっ、知らなかった。
っていうか、知らなかった自分に驚く。
どんだけ雑な買い物してるんだ(-_-)。
当時の私は、何をするにもいつもその場しのぎで大慌てで、やることなすこと、考え方も、みんな雑だったんだなあ。
それに、着物のことも全然わかってないし、自分の好みもわかってないし、とにかく「あればイイ」って感じだった気がします。
それでも、瞬間的にちゃんと野ブドウ(もしかしたらツタかな?)を選んでいたことだけはほめてやろう。
そんなワケで、また機会があれば着てやってもいいってくらいの気持ちになったキモノ。
ガラスの帯留。
もうすこし爽やかなのでもヨカッタな。