ozさんと交換した大島紬反物を仕立てたもの。
買ってみたものの赤すぎるのが気になって仕立てずにいた反物を、キモノ友達ozさんが気に入って、彼女が持っていた別の反物と交換したのです。
あっちに行ったのは、もうずいぶん前に仕立てられて、カッコよく着こなされています。
すごく似合っていてステキです。
こっちに来たのは、じつは私が持っていたのよりもかなり高級、へへ(^^;。
けれど、やっぱりこの赤い格子が、私に似合うんだろうか?と気になって。
・・・・で、私、恐ろしいことをやりました。
自分で色をかけてみようと思い立ってしまったのです。
ええ、自宅の台所で、市販の染料を使って。
ええ、純泥染め大島紬を、ですよ。
まず最初は、茶色。
まったく変化がなかったので、思い切って青色。
とにかく、この格子の赤が、若干でもくすんだ色になってくれたらイイなあと思って。
で、結果は・・・。
まったく 何の変化もありませんでした。
まったくもってゼロパーセント。
微動だにしない、なんという堅牢な染め。
こんな蛮行をはたらいたヤツが言うのもナンですが、さすが本物の職人のワザ。
心からの賞賛の拍手を送りたい。
いったい、この赤はどんな技法で染められているのでしょうか。
あ、そのかわり泥染めの部分は、少し白茶けてしまいました(号泣。
こちらは、さすがの天然染めです・・・orz。
どんなヒドイことされてもビクともしなかった赤のかわりに、犠牲になったのは伝統技法の天然泥染め。
これまた切ないハナシです。←おまえがいうな
そして、さんざん水に漬けこんだり、煮詰めたり(

)したせいで、ものすごいシワくちゃになりました。
もはや誰も、これが大島紬反物だとは思う者はいまい。
でもね、こんなヒドい目に遭わされたのに、さすが大島紬。
反物の長さには、ほとんど変化はありませんでしたよ。
私の蛮行に耐えてがんばってくれた大島に敬意を表して、ちゃんと仕立てに出すことにしました。
「地直ししても細かいシワは残ってしまいました」「ところどころ白っぽくなった部分があります」と言われましたが、いいんです、そのまま仕立ててください。
で、本日初おろし。
散々いたぶった子が立派になって帰ってきて、せつないようないとしいような、心が痛むけどちょっと誇らしいような、複雑な心境。
赤い赤いと騒いだけど、実際に着てみるとそれほど赤っぽくはありません。
そして何より、びっくりするくらい柔らかくて、軽くて、まるで何十年も着続けて充分にこなれたような沿い感です。
羽織った瞬間から体に吸い付くようでした。
ああ、おまえは私にあんなふうにいたぶられている間から、もうすでに私の一部だったのだ。
愛するよ、これから猛烈に愛するよ。
私のお気に入りのしるし、こげ茶の八掛。
もうおまえを放さない。