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2005/11/05

サルバドールの布人形・・・片隅の歴史

ブラジルのジョタカ村に住むkeishiさんのブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/keishi_brasil/15686085.html)では、シンプルだけど深いメッセージと、荘厳な朝日や真っ青な空、めずらしい果物や素朴な住人たちの笑顔、種を越えた友情を育むヴェントとキキの寝姿などに、いつもいつも和まされ、心の糧を戴いている。

この方が住むジョタカ村は、バイア州サルバドールにほど近いところにあるらしい。
サルバドールと言えば、ブラジルの最初の首都となった、歴史のある街だ。

発見された当初は使い道のない未開の地でしかなかった南米大陸から「金」が採掘されることがわかって、ブラジルの価値は一気に高まった。
ヨーロッパ人はアフリカから大量の奴隷を連行し、金採掘の作業に従事させた。
かくして、この街は、重厚で華やかなヨーロッパ貴族趣味と、奴隷たちが故郷を離れても守り続けたアフリカの土俗的な文化が同居して、何かの熱をはらんだような、不思議な空気を持つことになった。

このサルバドールに旅行した時、古い布人形を見た。
観光客が多く行き交う場所にありながら、そこだけ閑散とした建物の二階。
パンフレットもなければ、詳しい解説板もない、ホコリ臭い小さな博物館だ。
けれど、そこに並べられた物言わぬ人形たちの存在は、どんな解説も及ばないほどに、サルバドールの歴史を饒舌に物語っていた。

日々の過酷な労働の中にあって、奴隷たちはせめてもの慰めに、自分たちの似姿を作った。
素材は手近な余り布。
生活や労働の様子、子を抱く母親、街を歩く物売り・・・・
もともと手先が器用で、造形や手工芸製作に長けた民族の末裔だ。素朴でありながら表現の精緻さに恐れ入る。
布の素材感も相まって、なんだかサルバドール中にただよう椰子油の食べ物や、人々の汗の匂いまでしてきそう。

やがて、その技術力に感心したヨーロッパ人が、本国への土産用に貴族の姿の人形を作らせるようになったらしい。

麻布で作っていた黒い肌は真っ白なシルクに、余り布の綿の服は高価なレースに変えられた。
労働者の姿を作っていた技術で、手に持たせる小物にまで緻密な装飾をほどこし、顔に化粧をし、決して汚れることを知らないであろう爪までも、丁寧に作り込んでいる。

こんな人形が現存していることが奇跡に思えた。
保存状態も非常に良い。

これはもしかすると、40年くらい前に日本でも流行った「フランス人形」の原型じゃないのだろうか?
想像でしかないが、なんだかそんな気がしてたまらない。

布製の人形の資料というのは世界的にも極端に少ないらしいし、私自身にも知識がない上に、その博物館には何の解説書もなかったので、詳しいことは全くわからない。

でも、この人形たちを見て以来、ずっと頭から離れずにいた。

ブログでkeishiさんとご縁が出来てすぐ、この博物館についてお聞きしたのだが「わからない」というお返事。
でもずっと心に留めて下さって、とうとう先日発見の知らせが!
おまけに、有り難いことに撮影禁止の館内の貴重な写真(ご本人は禁止だということを知らず撮影されたそう)まで!

私の知る限り、日本ではほとんど知られていないようなので、このブログを利用して是非紹介したかった。
でも、せっかくコピーの了承をいただいたのに、転載の仕方がわかりませんっっ!

これをお読みくださった皆さん、いますぐジョタカ村ブログへ!
http://blogs.yahoo.co.jp/keishi_brasil/15686085.html

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コメント

非公開コメント

No title

そういう人形たちだったのですね…ああ、すごくよく伝わってきました。どうしてここふじさんがそこまでこの人形たちを思っていたのか。必ず、見てきます。教えてくださってありがとう!

No title

見させてもらいました♪ウチの母親に似ている・・!!何だか本当に不思議な気持ちになりました。リアルな感覚がありますね!!素敵な人形! それに温かみと切ない気持ちになりました。

No title

minaサマ:ほとんど解説がなかったので、もしかすると私の理解は全く間違ってるかもしれません。ですが、良い人形でしたよ。見てきてね!

No title

milkyサマ:あの噂の!若いお母様ですね!・・・そう、高価な布を使っていても、なんだか切ないんですよ・・・。